2025.01.13 フォーマル ビジネススーツ セットアップ ジャケット
スーツの品質を決める最も重要な要素の一つが「生地」です。スーツ生地には様々な種類があり、その産地や製造方法によって風合いや着心地が大きく異なります。特に、世界的に評価の高いイタリア生地・イギリス生地・日本生地の特徴と、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、スーツを選ぶ際のポイントを解説します。
また、スーツ生地を供給する「ミル(生地ファクトリー)」と「マーチャント(商社)」の違いについても触れながら、より深くスーツ生地の世界を掘り下げていきます。
柔らかく滑らかな肌触り
イタリア生地は、上質なウールを使用し、柔らかく軽やかな仕上がりが特徴です。
エレガントで光沢感のある仕上がり
イタリアの生地は艶があり、ドレープが美しく出るため、華やかで洗練された印象を与えます。
軽量でしなやかな着心地
イタリア生地は軽さと柔軟性を兼ね備えており、着用時のストレスが少なく、快適な着心地を実現します。
耐久性が低め
柔らかい生地のため、シワになりやすく、耐久性がイギリス生地よりも劣る傾向があります。
価格が高い
高級ウールを使用しているため、価格が比較的高くなりがちです。
Loro Piana(ロロ・ピアーナ):最高級のカシミヤやウールを使用し、柔らかさと光沢感が魅力。
Ermenegildo Zegna(エルメネジルド・ゼニア):エレガントなデザインと高品質なウールで知られる。
Vitale Barberis Canonico(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ):イタリア最古の生地メーカーで、コストパフォーマンスが高い。
耐久性が高い
目の詰まった織り方をしており、丈夫で長持ちする。
シワになりにくく型崩れしにくい
ハリのある生地で、スーツの形をきれいに保ちやすい。
クラシカルで重厚感のある印象
伝統的なブリティッシュスーツにふさわしい、落ち着いた風合い。
硬めの質感で動きづらい
しっかりとした生地のため、イタリア生地に比べて硬く、動きづらさを感じることも。
重量感がある
厚みがあるため、暑い季節にはやや不向き。
Holland & Sherry(ホーランド&シェリー):伝統的な英国生地で、耐久性と高級感を両立。
Scabal(スキャバル):英国らしいクラシックな生地を多数展開。
Fox Brothers(フォックス・ブラザーズ):ツイード生地の代名詞的存在。
繊細で高精度な仕上がり
日本の技術力により、非常に均一で美しい織りが実現。
コストパフォーマンスが高い
高品質ながら、海外生地より比較的リーズナブルな価格で入手可能。
通気性や機能性に優れた生地が多い
吸湿速乾性やストレッチ性を備えた生地が多く、快適に着用できる。
光沢感や風合いはやや控えめ
イタリア生地のような強い光沢感やドレープはやや少なめ。
伝統的なブランド力が弱い
世界的な評価は高まりつつあるが、イタリア・イギリスに比べるとブランド認知度が低い。
Miyuki Keori(御幸毛織):日本を代表する老舗メーカー。
Kuzuri Keori(葛利毛織):尾州産地の高品質なウール生地を提供。
スーツ生地を選ぶ際は、以下の点を考慮すると良いでしょう。
エレガントで華やかな印象を求めるなら「イタリア生地」
軽やかでドレープ感があり、柔らかい着心地が魅力。
ビジネスからパーティーシーンまで幅広く対応。
耐久性とクラシカルな風格を重視するなら「イギリス生地」
シワになりにくく、長持ちするため、ハードなビジネスシーンに最適。
伝統的なスーツスタイルを好む方におすすめ。
コストパフォーマンスと機能性を求めるなら「日本生地」
通気性やストレッチ性に優れ、現代的なライフスタイルに適応。
国内生産ならではの精密な品質管理が魅力。
どの生地を選ぶかは、使用目的や着用頻度、好みによって異なります。スーツは長く付き合うアイテムだからこそ、自分に最適な生地を見極め、快適かつスタイリッシュな一着を手に入れましょう。