男性の成人式の服装と歴史:日本と欧米の違い

2024.09.12 成人式スーツ

男性の成人式の服装と歴史:日本と欧米の違い

日本では、成人式(二十歳の集い)といった、大人としての自覚を持つための式典があります。スーツの文化を作ってきた欧米ではどうなのか?また、我々は服装を扱う者として、個性とフォーマルを両立した服装をお勧めしていますが、本来の服装は何が正式なのか?など、その歴史と合わせて調べ、紹介することとしました。

歴史や他文化を知ったうえで、今の成人式についていろいろと皆様も考え、人生に一度きりの成人式を迎えていただきたいと思います。

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成人式は、若者が大人としての第一歩を踏み出す重要な節目を祝う儀式で、日本だけでなく、世界中で行われています。しかし、国や文化によって成人の年齢や儀式の形式は異なります。ここでは、日本と欧米諸国の成人式の歴史と違い、さらに成人式での男性の服装について書いていきたいと思います。

日本の成人式の歴史

日本の成人式は、古くから伝統的に「元服」と呼ばれる儀式が行われていました。元服は、平安時代に貴族階級で始まり、男子が15歳頃に成人として社会に認められる重要な儀式でした。この儀式では、男子が冠を着け、服装を成人にふさわしいものに改めました。この時期に、名前を改め、家族やコミュニティから祝福を受け、大人としての役割を担う準備を整えました。

時代が進むにつれて、元服の形式は武士階級や一般庶民にも広がり、成人の証としての役割を果たしていました。戦後、1946年に埼玉県の「青年祭」が発端となり、現代の成人式が生まれました。1948年には、1月15日が「成人の日」として国民の祝日となり、現在も成人式は全国各地で1月の第2月曜日に行われています。

現代の成人式では、男性の多くがスーツを着用し、女性は振袖を選ぶことが一般的です。しかし、着物や袴を着る男性も増えており、成人式の服装にはバリエーションが見られます。

欧米諸国の成人の儀式とその違い

一方、欧米諸国では、日本の成人式とは異なる形式の儀式が行われています。特にアメリカでは、18歳が法的な成人年齢とされていますが、成人式としての大々的な儀式はあまり見られません。その代わり、卒業式やプロム(卒業ダンスパーティー)が若者の成長の象徴とされています。プロムでは、男性はタキシードやスーツを着用し、女性はドレスを身にまとい、華やかに祝います。このイベントは、社会的なマナーや大人としての振る舞いを学ぶ機会としても重要視されています。

ヨーロッパでは、成人としての年齢は国によって異なりますが、例えばドイツの「ユビレウム」やスペインの「フェリア」など、地域ごとに成人を祝う祭りや行事が行われています。これらの祭りは、地元の伝統や宗教的な影響を受けながらも、若者が大人の仲間入りを果たす重要な儀式です。

欧米諸国では、特に18歳や21歳が成人としての節目とされることが多く、法的にも社会的にも自立した個人として認められます。この年齢に達すると、選挙権の取得や法的な契約が可能になるため、日本の成人式と同様に、社会的な責任を持つ存在として認識されます。

日本と欧米の成人式の服装の違い

日本の成人式では、男性の多くがスーツを選びますが、近年では伝統的な袴を選ぶ若者も増えています。特に、成人式は一度きりの特別なイベントであるため、個性を表現するために大胆なカラーやデザインのスーツや着物を着ることがトレンドとなっています。スーツの場合、ブラックやネイビーが定番ですが、派手なストライプやチェック柄、鮮やかな色のスーツを選ぶ人も見られます。また、袴スタイルは、歴史的な元服の影響を受けており、伝統的なスタイルを現代に引き継いでいます。

一方、欧米では、成人式のような儀式が少ないため、男性のフォーマルな服装は主に卒業式やプロムなどのイベントで見ることができます。プロムでは、男性はタキシードやスーツを着用し、シンプルでエレガントなスタイルが好まれます。欧米では、スーツやタキシードはシンプルかつ洗練されたデザインが主流で、カラーバリエーションは控えめです。ブラック、ネイビー、ダークグレーといったベーシックな色が一般的で、全体的に落ち着いた印象を与えるスタイルが好まれます。

本来のあるべき成人式の服装とは?

成人式の服装は、時代や地域によって大きく異なりますが、本来の目的は「成人としての自覚を持ち、社会の一員となること」を象徴するものであるべきです。そのため、服装はその人の個性や価値観を反映しながらも、社会的なマナーを守ることが求められます。

日本では、スーツが一般的であるものの、伝統を重んじるならば袴も選択肢として適切です。成人式という特別な場だからこそ、フォーマルな服装を選びつつも、自分自身のスタイルを表現するために、色やデザインにこだわることも重要です。袴を選ぶ場合は、伝統的な色合いやパターンを取り入れることで、より歴史的な背景に敬意を払うことができます。

欧米では、成人式に相当するイベントが少ないため、プロムや卒業式でのフォーマルウェアが重要視されます。男性はタキシードやスーツを選び、シンプルで上品なスタイルを心がけることが推奨されます。成人を祝うイベントでは、自分らしさを出しつつ、社会的なマナーを反映した服装が最もふさわしいとされています。

日本と欧米諸国の成人の儀式や服装には、歴史的・文化的な違いが存在しますが、どの国においても成人を迎えることは重要な節目です。日本では、スーツや袴が成人式の定番スタイルとして定着していますが、欧米では卒業式やプロムが成人の象徴となっています。どちらの場合も、服装は自分を表現する一方で、社会的な責任を持つ成人としての自覚を反映させたスタイルが求められるのが本来の形です。成人式の服装を選ぶ際は、伝統と個性のバランスを考慮しながら検討してください。

 

まとめ

このように、成人式の歴史と欧米との比較を記入致しました。「身なりは人を表す」などとも言われますが、服装を考える時の一つの要素として、この歴史と意義を考えていただけると嬉しいです。

派手なコーディネートも素敵です。厳かなコーディネートも素敵です。個性的なコーディネートもとてもいいです。皆様の個性とアイデンティティーを大事にし、参考にしてください。そして我々はアドバイスや提案はいつでもできます。必要な時、是非ご来店ください。