ジーンズはボタン留めが王道?ファスナーは邪道?

2023.06.26 岡山デニムスーツ

ジーンズはボタン留めが王道?ファスナーは邪道?

おそらく、ジーンズのフロントにはファスナーが付いているのが普通だと思っていますよね?


ですが、ジーンズショップのスタッフの方に「ジーンズはボタン留めが王道ですよ!」と言われた事の有る方もあるのではないでしょうか?


ですがこれは、ジーンズデザインに大革命が有ったから。


と言う事はあまり知られていないと思いますので、今回はジーンズデザインの大革命のお話しです。

目次

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ジーンズデザイン大革命

ジーンズが誕生したのはアメリカがゴールドラッシュに湧いた1870年ごろの事。

 

今から150年ほど前のお話になります。

 

その頃はまだ、ファスナーが発明されておらず、1891年に米国ホイットコム・ジャドソン氏が、靴ヒモを結ぶ時の不便さを解決しようと考えたのがジッパーの起源とされており、その後、1921年に米国のメーカーが、閉める時の「シューッ」という擬音の「Zip」から「ジッパー」と命名し、いろいろな商品に取り付けられるようになりました。

 

 

ちなみに日本では、1927年に尾道で「巾着(きんちゃく)」からもじって、「チャック印」として販売したところ評判になり、「チャック」という名前でも知られています。

 

と言う事で、チャックでも通じますが、ファスナーが誕生する前までは、どのパンツ(ジーンズ、スラックス、トラウザーズ)も全てボタン留めのボタンフライが主流であり、ジーンズの長い歴史のなかでファスナーの発明は基本デザインが大きく変わる大革命のきっかけとなりました。

 

 

※フライとは、フロント部のファスナーやボタン部が外から見えないように仕立てる縫製方法の事をフライフロントと言います。

ジーンズはボタン留めが王道?

ファスナーの歴史を紐解いた所で、ジーンズの原型がボタンフライだったからという単純な理由だけでなく、ジーンズ創成期のデニム生地は洗うと大きく縮むという特徴がポイントになります。

 

 

現代のデニム生地は防縮加工の「サンフォライズ加工」が施されていますのであまり縮みませんが、当時の大革命商品のファスナーを取り付け始めた頃は、デニム生地を洗うと大きく縮んでいた事で、ファスナーの動きが悪くなるトラブルが発生した為、「ジーンズのファスナー仕様は良くない」という噂が広まってしまったのです。

 

その為、「ボタン留めが王道」「ファスナー留めは邪道」というジーンズの噂がジーンズ好きの間では定着していたのでした。

現代のジーンズ

現在では防縮加工の「サンフォライズ加工」が施されジーンズが中心であり、ファスナー自体の性能も良くなっている事から、ファスナーの動きが悪くなる事はほとんどありません。ですが、ジーンズ好きの方の中には、古典デザインの「ボタンフライ」を好む方もまだ多いようです。

 

また、現代でもジーンズファンの方向けに販売されている防縮加工の「サンフォライズ加工」が施されていないリジッドジーンズの場合はファスナーの動きが悪くなる場合もありますので、「ボタンフライ」をお店の方に勧められる事も有ると思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか

今回は、ジーンズショップのスタッフの方に「ジーンズはボタン留めが王道ですよ!」となる理由を解説してきました。

 

この様に、デニム生地から始まるジーンズの歴史が「ジーンズはボタン留めが王道ですよ!」に繋がってくるのです。

歴史を踏まえたデザインの拘りの一つとして知っておいてもらえればと思います。

 

 

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