2022.10.20 ビジネススーツ
皆さんのスーツを選ぶ時の基準は何でしょうか?
色やデザインというスーツ全体のイメージも大切ですが、スーツを選ぶ時の基準にはスーツの生地の特徴もスーツの印象も大きく左右します。
そこで今回はスーツ生地の二大国の一つ、
イギリススーツの生地ブランドのルーツや背景を知ることで、スーツを着た時に人に与える印象をについて見ていきながら、スーツのより深い選び方をご紹介していきます。
イギリススーツ生地全般の特徴としては、しっかりと織られており、耐久性が高い事が上げられ、シワになりにくく復元力に優れています。クラシックな色柄が多く、肌触りには若干のかたさがあり、やや重たい印象なのですが、これは『経糸』『横糸』共に2本の糸を撚ってしっかりと織り上げられているためです。同じクオリティーの“SUPER表示”表示であったとしても、イタリア生地などと比べシワになりにくい生地が多い事も人気の一つです。
イギリスは、古くからの貴族階級が定着しており「他者への礼節のために装う」という服の考え方があります。
分かりやすい言葉でいうと英国紳士的なイメージです。その考え方がある為、イギリス発祥の服には、相手や着用シーンに合わせたドレスコードがあり、モーニングやタキシードをはじめ、ドレッシーでエレガントなテイストの服が多くあります。その為、それらを着こなす上品で礼儀正しく、教養の高さも大切にしています。また、伝統を重視する保守的な国民性でもあり、その為、長年の使用にも耐える耐久性も重視している点もイギリス的な考え方が反映されているといえます。
イギリスも日本と同様に周りを海に囲まれた島国です。
一年中にわたり曇りや雨の日も多く、湿気の高い気候です。
そんな気候の中でもスーツが型崩れしにくい素材を選ぶ為、湿気が高い気候でもヨレないように糸を太く厚みの有り、重く、しっかりと反発感と腰のある素材が採用される傾向にあります。
イギリススーツ生地全体の特徴を解説してきましたが、各ブランドごとにも特徴がありますので、
見ていきましょう。
1938年に設立された世界最大級のマーチェントであり、「最高の原材料のみを使用する」ことをこだわりとし、高級紳士服地サプライヤーとして世界中の主要都市で不動の地位を確立しています。
また、生地の品質もさることながら、そのデザイン性に魅了される方も多く。アメリカ大統領御用達ブランドとしても有名です。
また、映画「ゴット・ファーザー」では、マーロン・ブランドが、「タイタニック」ではレオナルド・ディカプリオなどの人気俳優からも絶大な人気を集めています。
イギリスから毛織物を輸入する服地商を祖業とするドーメルは、1842年創業の170年以上の歴史のある老舗マーチャントです。 現在では世界80か国以上に生地を輸出するイギリスでも最大手のマーチャントとして国際的に高い地位を確立しています。
ドーメルはイギリス服地のなかでも「重厚でクラッシックなスーツ」というイギリススーツのイメージを裏切る光沢があり、華やかな服地を扱う事代表的な生地ブランドの一つとして知られています。
生地は”メイド・イン・イングランド”ですが、本社はフランスにあり、イギリスらしいどこか格式を感じさせる表情を持っていながらも、フランスの甘いエッセンスによって柔らかさ、優しさを感じさせてくれるブランドです。
フォックスブラザーズは、1772年に英国西部のサマセット・ウェリントンで創業した老舗ミルです。フランネルの創設者として公認され、サヴィル・ロウを始めとした世界中の名門テーラーで秋冬の定番服地として長く愛されています。その伝統的な製造方法は、今でも世界に向けて最高級の生地を作り出しています。
また、英国ブランドらしいストライプ柄やチェック柄は伝統を感じさせるものが多く、色使いも洗練された雰囲気と着込むほどに味が出る素晴らしいイギリス生地ブランドです。
イギリススーツ生地の特徴を解説してきました。
実際に手に取って比べてみると各ブランドの違いを一層感じてもらえると思います。
今回の内容で予習して改めて、本物で確認する事をお勧めします。
実際に手に取ってスーツ生地を見られるお店はコチラ