2022.10.15 ビジネススーツ
皆さんのスーツを選ぶ時の基準は何でしょうか?
色やデザインというスーツ全体のイメージも大切ですが、スーツを選ぶ時の基準にはスーツの生地の特徴もスーツの印象も大きく左右します。
そこで今回はスーツ生地の二大国の一つ、
イタリアスーツの生地ブランドのルーツや背景を知ることで、スーツを着た時に人に与える印象をについて見ていきながら、スーツのより深い選び方をご紹介していきます。
イタリアスーツ生地の全般の特徴としては、生地が柔らかく艶が有り、肌触りが滑らかになるというのが特徴です。
そのため、イタリアメーカーの生地のスーツは、軽くて着心地の良い仕上がりになります。
また、イタリアメーカーの生地で作られたスーツは、イギリス産や国産の生地と比べ、色柄が豊富に揃っており、発色の良さも人気の一つです。
素材に合わせた仕立ての特徴も理解しておきましょう。
イタリアの南部を中心に古くからイギリスやフランスのスーツの下請けの生産地となっていたイタリアでは、自分の仕立ての技術力の高さや、装いのセンスの良さで人目や異性の関心を引くという服の考え方があります。
その為、イタリア人の装いには、目に留まりやすい大胆に見える部分やどこかセクシーでエレガントをアピールできる服を好む傾向が有ります。
スーツ仕立ての本場、地中海南部を中心としたイタリアは、晴天が多く、比較的乾燥した気候です。
乾燥した気候の為、湿気で生地がヨレル事は少なく、薄く柔らかく、軽い通気性の良い素材が好まれます。暖かい気候も手伝い楽天的で、常に異性を意識し陽気に人生を楽しむ文化が強く根付いており、よりファッションを意識した色彩や、つい触りたくなる珍しい質感などが素材にも反映されています。
イタリアスーツ生地全体の特徴を解説してきましたが、各ブランドごとにも特徴がありますので、
見ていきましょう。
創業は1910年、北イタリアでテキスタイルメーカーとして誕生。デザインのポリシーは「最高の素材は優れたデザインを、最高のデザインは優れた素材を求める」。スーツ以外の分野でも、スーツ小物やスポーツウェアまで、それぞれの製品は世界で高い評価を得ています。また、服地業界で初めて服地の耳にブランドネームを織り込んで品質を保障したのもゼニアとなります。
生地の特徴
高い品質を誇る服地は、各国の元首はもとより、名のある実業家、日本でも多くのエグゼクティブも顧客として名を連ねています。個人だけではなく世界のハイブランドでもゼニア社の生地が使われていて、例えば、エルメス、アルマーニ、ラルフローレンなど、こういったハイブランドの生地利用により、更にゼニア社の生地の人気が高くなっています。
フラッグシップ おすすめコレクション
<TROFEO-トロフェオ>
原材料にも高い品質を求めるゼニア社独自のトロフィー制度によって買い付けられた、スーパーファインメリノウール(SUPER130’クラス)の素材です。トロフェオとはイタリア語でトロフィーのことを指します。ゼニア社主催のオーストラリア原材料品評会で、その年の最高品質の羊毛を出品した牧場主に贈られるゼニアトロフィーが名前の由来となっています。風合いはソフトで程良い光沢感が特徴です。
高級カシミアと高級ウールのトップメーカーであり、歴史は古く1924年にピエトロ・ロロ・ピアーナ(Pietro Loro Piana)がテキスタル会社を創立したのが始まりです。服地メーカーは服地のプロデュースのみを行うマーチャンドとプロデュースの域を超えて、自ら製造を行うミルと呼ばれる業態があり、ロロ・ピアーナはミルの域を超え、糸の原料である繊維の生産から紡績、織りあがった生地をシャツやスーツへと製品化する自社一貫体制のSPAという拘りのスタイルをとっています。
ロロ・ピアーナの生地は、男性的と言うよりはどちらかというと女性的な生地と言われています。生地や柄が高貴で粋な色気がある所も人気の一つでしょう。スーツに仕立てた時もロロ・ピアーナ独特な雰囲気を醸し出してくれます。最高の製品のみを保証するというロロ・ピアーナのポリシーは、原材料の確保にも力を入れており、メリノウールスーパー100’s以上の原毛の総生産の30~40%購入しているところからもその情熱がうかがわれます。
<FOUR SEASONS-フォーシーズンズ>
その名の通り、オールシーズンに対応した生地コレクションです。最高級のメリノウール(ニュージランド)で、Super150’sを使用し、自然な艶感と軽さが特徴であり、年間を通して高い品質を楽しめます。強くしなやかな糸で仕上げられた素材は織物でありながら自然な伸縮性があるのでビジネスシーンにも気持ちよく着用出来ます。
原毛をオーストラリアより直輸入し、最新鋭の紡績機械・織機を使い、糸の紡績から生地までを一貫して生産しています。高品質でコストパフォーマンスに優れた商品は世界各国で高い評価を得ています。生地の特徴としては、軽くて、柔らかく、発色の良さが魅力であり、柄数も豊富な事から個性の映えるイタリアファッション大国の魅力も感じとる事が出来ます。
カノニコは、発色の良さから、スーツの王道カラーのネイビーが人気であり、春夏の生地では、トロピカルやモヘア系の生地が人気を集めています。秋冬の生地では、通常人気のフランネル素材だと色味が少し暗くなりがちですが、カノニコのフランネル生地は鮮やかで綺麗な色味が多く、秋冬のスーツファッションに欠かせないものになっています。
〈Perenial-ペレニアル〉
もっとも基本的なカノニコ生地といえばこのペレニアルです。厳選されたSuper110’sウールを使用したツイル生地は、耐久性とシワの回復力に優れているため、連日スーツを着るようなビジネスマンの方には是非ワードローブの一つとして取り入れていただきたいアイテムです。更にSuper110’sを原毛に使用する事によりしなやかな風合いが生まれ、シルエットも美しく、ドレープを描くような仕上がりとなります
DORAGO~ドラゴ~
イタリア最大の毛織物産地ビエッラを代表する羊毛紡績・羊毛服地メーカーです。糸の紡績から生地の製造までを一貫して行うことを特色とし、そのコレクションはスーパー130’s以上、スーパー210’sまでの高級グレードのみで構成されています。紡績に関しては、スーパー130’s以上の糸の製造販売において世界市場の約7割を占めている事からも高級グレード素材への拘りを感じさせます。
▼生地の特徴
スーパー130以上の細糸生産で技術的に困難とされていた世界で最も細番手となるスーパー210の生地を開発・生産していることで大きな注目を集めた事もあり、最新のナノテクノロジーを駆使してウールの質感を変えずに防湿、防シワ、撥水効果をこれらの高級生地に与え、従来の高級ウール素材にありがちなデリケートな印象を刷新し、雨が多く多湿な気候を有する市場においても絶大な評価を獲得しております。
<VANTAGE-バンテージ>
イタリア国内320のサルト、欧州圏560の専門ショップが取り扱う「ドラゴ」社の定番クオリティー。80双糸×60番単糸で織り上げられ、イタリア特有の発色に季節感を融合させたストライプ、チェック柄が特徴です。
いかがでしたでしょうか?
イタリアスーツ生地の特徴を解説してきました。
実際に手に取って比べてみると各ブランドの違いを一層感じてもらえると思います。
今回の内容で予習して改めて、本物で確認する事をお勧めします。
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