2022.08.26 クリーニング ビジネススーツ
スーツの寿命や買い替えのタイミングを考える事も有ると思います。
「デザインが古くなって。」というのは個人的な感覚もありますので、古く感じていれば買い替えのタイミングなのですが、デザインが古くなくても、スーツが傷んでいると、身だしなみに気を使えない人という印象を与えかねません。
また、スーツを着続けていくと必ず消耗していく部分が現れてきます。
消耗を無視して着続けて行くと大切な商談に向かう出先でスーツが破れて立ち往生してしまう、最悪のパターンも考えられますので、まずはスーツ破れの前兆を知っておきましょう。
今回は、長く綺麗にスーツを着る為の予防法と合わせて解説していきます。
パンツのお尻や太もも周り、上着の脇の下や袖口などの動いて擦れやすい箇所に、スーツの疲労を知らせるテカリや毛玉が現れます。
テカリや毛玉を無視して着用を続けていると毛羽立ちが広がり、毛羽立から生地の糸を引いて、糸抜けしてしまい、破れに繋がります。
擦れやすい所では摩擦と共に静電気が発生します。
静電気には生地の糸を毛羽立たせる働きが有りますので、生地が毛羽立ちます。
毛羽立った生地に強い圧力と摩擦を加えると毛羽立ちが潰されテカリになります。
反対に、毛羽立ちに弱い圧力と摩擦を加えると毛羽立ちが強まります。
この状態で、汗や雨などの水分などが加わると毛羽立ちが進み、摩擦でまとまると毛玉になります。
どちらの状態も元は生地だった繊維が毛羽立つ事で生地の密度が低下していますので、強度も低下しています。
スーツのテカリや毛玉を防ぐためには日々のお手入れが重要です。毛羽立ちを押さえる以下のポイントを参考にテカリと毛玉の予防を行いましょう。
連続して着用しない
生地のへたりの予防と合わせて、静電気の放電に効果があります。
着用を重ね、静電気で毛羽立ったスーツは帯電しています。連日着用すると、さらに帯電され、毛羽立ちが進みますので、休息日を与え静電気が抜ける期間を作りましょう。
また、汗などの湿気から毛玉になりますので、風にさらすなど、湿気を取る事も重要です。
ブラッシング
埃を落とす目的と共に、毛並みの向きを整えるのにも摩擦軽減に繋がり、有効的です。
毛玉になる毛羽立ちの乱れも整えましょう。
正しいブラッシング方法が気になった方はコチラ
重ね着、サイズ感に気をつける
タイトなスーツの下に厚手のニットなどを着用すると、摩擦抵抗も静電気も多くなります。
元々のサイズに、適度なゆとり感が無い事も同じ事ですので、体型変化が有った時には、サイズの調整もケアの一つです。
静電気の発生を抑える組み合わせ。
素材の組み合わせによっても静電気を押さえる事が出来ます。
プラスとマイナスの帯電差が大きいほど毛羽立ちやすくなるため、ウールと化繊の混紡の物や、重ね着のインナーに気を付ける事で静電気による毛羽立ちを押さえる事ができます。
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大切に着ていても毛羽立ちを完璧に防ぐ事は出来ません。
毛羽立ちや毛玉も、元の生地が絡み合った状態であり、スーツの一部です。除去すると、本体の生地は薄くなってしまいます。またハサミなどの刃物を使って取り除くのが基本ですが、丁寧に作業をしないと衣類そのものに穴を開けてしまう可能性もあるので注意が必要です。
事前準備
まずは、洋服ブラシをかけて繊維の方向を整えておきます。さらにガムテープなどで毛玉を浮かせておくと、切除する部分がはっきりするので作業がしやすくなります。
ハサミ、刃物で処理
生地を傷めずに毛玉取るには、ハサミを利用するのが一番です。地道な作業にはなりますが、確実に毛羽、毛玉だけの除去が出来ます。またT字カミソリも、衣類本体と毛玉の間にやさしくあてることで、同様に毛玉の切除が可能です。
電動毛玉取り器で処理
毛玉が広がっており、ハサミで切るのには時間がかかりすぎる!という場合は、電動毛玉取り器が便利です。コツは、優しく布地にあてること。機器を押し付けて衣類そのものに穴を開けないように注意しましょう。毛玉を取り除くほどに生地は薄くなるので、あて過ぎないようにして下さい。
※してはいけない処理
丈夫な素材であれば、スポンジを利用して毛玉を絡め取る方法もありますが、スーツの様な繊細な素材は、引っ張り取る方法は避けたほうが良いでしょう。引っ張ったところが新たな毛羽立ちとなり、より早く薄くなってしまいますし、糸引きを発生させる事も有りますので、避けましょう。
プロに依頼する
ハサミや電動毛玉取り器であっても、扱いを間違えれば大切なスーツに穴が空いてしまうこともあります。大切にしている1着は、毛羽立ち処理も行えるクリーニング店にクリーニングと合わせて依頼をしてみると良いでしょう。
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スーツのテカリと毛玉は摩擦による毛羽立ちが原因です。
日々のケアで、毛羽立ちを押さえるケアを続けましょう。
毛玉の元は生地の一部だったものですので、取り除く場合はハサミや毛玉取りを使って切り離しましょう。