スーツが破れてる!応急処置と予防法と修理相場は?

2022.08.22 ビジネススーツ

スーツが破れてる!応急処置と予防法と修理相場は?

大切にしているスーツでも経年疲労や、とっさの動きで破れてしまう事もあります。

特にパンツの股下は、脚を動かす際に擦れやすく、少し無理な体勢を取る事もあるので、破ける事の多いアイテムです。

そこで今回は、破れた時の簡単な応急処置と予防法。

修理の大まかな相場や修理期間を解説いたします。

目次

スーツ破れの原因は

スーツの破れ方は、「擦れ」と「裂け」によるものが大半です。

たまに引掛けたなどの事故もありますが、基本的には、座ったり立ったり歩いたりする事で、股下が擦れて薄くなった結果破れるというケースと、現在主流のタイトシルエットなどにする事で、縫い目や弱っている分に力が集中する事で生地が破れるケースが多いようです。

 

擦れやすい状態とは

擦れは、パンツの内股付近によく見られます。これは体形に関係している所も有り、特に太ももが大きく、スポーツ経験のある方などは股が擦れやすく、股下部分が傷みやすい傾向にあります。

 

また歩く機会の多い人や自転車で通勤している人などは、擦れる回数が多くなるので生地が薄くなりがちです。スーツにテカリや毛玉がでている場合も、擦れて生地に負荷がかかっていますので注意しておきましょう。

 

裂けやすい状態とは

スーツが裂ける原因は、サイズ感をタイトフィットにした以外にも、以下のような原因が考えられます。

 

・ポケットに物を詰める事が多い

・深くしゃがむ、正座をする機会が多い

・機敏な動きが多い

など

 

生地に一定以上のテンションをかけて着用し続けていると、座った拍子などに突然破れるということが多くなります。

特にスーツのパンツの後ろポケットなどに財布を入れるなど自然としている事も破れの原因としては多いようです。

破れの応急処置

出先でスーツが破れてしまったら、その後の予定に影響がでてしまいます。

糸と針が有れば何とかなりそうですが、無い場合は入手しやすいオフィス用品などでの応急処置を施し、破れが広がらない様にしましょう。

 

小さな破れやほつれなどの場合は、仮止めの役割を果たす安全ピンやホッチキスが使えます。破れたまわりの布同士を重ね合わせて穴をふさぎましょう。ホッチキスや安全ピンの先端が外側に向くよう留め、自分に刺さらないように留めます。

この時、反対にイスやソファをなどを傷つけないよう注意が必要です。

大きく裂けてしまっている場合には、布を寄せるのにも限界があります。

そんな場合は裏側からガムテープでふさぎ、心配な場合は周囲をホッチキスで留めましょう。

この時、ガムテープは布テープの物が接着力が強く、お勧めです。

紙テープ(クラフトテープ)では接着力が弱く、すぐ剥がれてしまいます。

 

応急処置で生地を傷めない為に

安全ピンやホッチキスの利用では、少なからず生地にダメージを与えてしまいます。

一か所だけでなく広く力が分散するように留めましょう。

また、ガムテープで応急処置を行う場合も、ノリの跡が残りますので、ご自宅に戻ったら早目に剥がしましょう。剥がす時も破れ口が広がらないよう慎重に剥がし下さい。

破れ修理と修理相場

とりあえずの応急処置で乗り切れたとしても、そのまま着用し続けることはできません。着続けるためには本格的な修理が必要です。どのような修理があるのか見てみましょう。

 

接着での修理

小さな傷であれば、アイロン接着などで行う修理があります。

補修専用の薄い接着ノリの付いた布を利用した補修です。少しの傷程度であれば、補修布を貼り付けて穴の広がりを防げます。大きく破れた場合は、共布を接着布で貼り付けて修理します。

デメリットとしては、接着ノリですので、強い力のかかる部分や熱でノリが剥がれる事があります。

参考費用

1cm程度の傷:1000円~

 

ミシン刺し(タタキ)

力の掛かる部分の傷にはこちらです。

「ミシン刺し補修(ミシン叩き補修)」です。破れている箇所の裏側から共布をあてて、生地と同系色の糸で繰り返しミシンで縫い込んでいく補修方法です。修復箇所が明らかにわかる方法なので、股の内側など目立ちにくい部分の補修におすすめです。

参考費用 

パンツの後ろポケット口の破れ程度2000円~

ヒップの裂け程度 3000円~

 

かけはぎ(かけつぎ)

職人技で補修痕がほとんど目立たない仕上がりになる方法が「かけはぎ(かけつぎ)」です。共布そのものを、本体の生地に差し込む方法で、高い技術を必要とします。費用もそれなりにかかるので、小さいけれど目立つ部分の補修におすすめです。

参考費用

1cm程度の傷:4000円~

 

参考費用の目安は裏地の付かない、傷口に直接アクセスできる部分の参考です。

裏地やポケットの内袋など傷口を修理するのに分解が必要な場合は別途、分解修理費用がかかると思われます。

また、スーツを購入した際の共布(本体生地の端切れ)は修復の際に必要になります。手元にない場合には裾の折り返し部分など目立たない所をカットして使用することもできますが、こちらも追加費用が加算されることもあるので、しっかり保管しておきましょう。

 

スーツの使用年数や傷の度合いなどを考え、お店の方と相談されると良いでしょう。

 

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予防と対策

スーツ破れの補修方法をご紹介してきましたが、できる限り長く着用するためには、はじめから対策を取り、日ごろから予防をすることが大切です。いくつかの予防方法をご紹介します。

 

サイズを合わせる

スーツには体に対しての適度なゆとりが必要です。

体のサイズに対して少ないゆとりのスーツを間違って購入されていたり、体型変化でゆとりが不足している場合もあります。一度スーツのサイズを確認しておく事も大切です。

 

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スーツに休息日を与える

同じスーツを連続して着用すると、生地が摩耗から回復する前に、さらに擦れてしまうので傷みも加速します。1日着用したスーツは最低1日休ませることで長く愛用できます。

 

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ツーパンツを購入する

スーツの基本は上下ひと揃えのため、ズボンが破れてしまってはジャケットも使えません。ズボンが破れやすい人の場合は、「ツーパンツスーツ」として、パンツを2本つけて販売している商品がおすすめです。

ツーパンツスーツは、2本のパンツを交互に着用しましょう。着用によってジャケットの風合いが多少なりとも変わるので、1本目を履きつぶしてから2本目に交換すると、パンツだけが新品の状態になり上下でバランスが取れなくなってしまいます。

まとめ

破れの多くの原因は「擦れ」と「裂け」です。

スーツの破れる前の症状として現れる生地のテカリや毛玉が現れていれば事前の対策も可能です。

擦れやすい部分など確認してみましょう。


補修をお願いする時は、直接品物を見てもらい、見積もりを取ると安心です。