大切なスーツをダメにする前に!高機能系ストレッチスーツの臭いと取り扱い方法を解説

2022.08.15 クリーニング ビジネススーツ

大切なスーツをダメにする前に!高機能系ストレッチスーツの臭いと取り扱い方法を解説

スーツにも快適性や耐久性を求められる事から、

使用されている事が増えてきた化学繊維(化繊(ポリエステル、ポリウレタンなど))。

とくに、ストレッチによる着心地の面や、家で洗濯出来るなどの便利な面も注目され、安価なワーク系のスーツから高級なハイブランドスーツまで、なくてはならない繊維になってきています。

シワになりにくく取り扱いが便利な化繊ですが、化繊だからこその臭い残りなどのデメリットも有ります。

また、取り扱いを間違えてしまうと、美しいスーツとして着られなくなってしまう事もあります。

そこで、今回はの化繊の入った高機能系ストレッチスーツの取り扱い方法を解説いたします。

目次

化繊の特徴

メリットは、化繊の種類にもよりますが、耐久性に優れ、伸縮性も高く、しわになりにくい性質です。

また、近年では速乾などの特徴を活かして肌着にも多く取り入れられています。

一方で、吸湿性は乏しく、化繊のデメリットとして挙げられます。

繊維の中に水分をとどめておけないので、用途によって、他の吸湿性素材(綿やウール)と混紡して使われる事もあります。

 

スーツにも、しなやかさによる見た目を重視して天然のウールを100%使用した物から、耐久性や伸縮性を増すために化繊を5%から50%混紡した物、より便利にウォシャブルまで想定した100%化繊の物まで用途に合わせて存在しています。

化繊と臭い

化繊は、吸湿性には乏しい事から、汗の成分の水分のみ先に蒸発していしまい、脂汚れなどのみが定着して落ちにくい点はデメリットとしてよく挙げられます。

そのため、皮脂などの汚れが吸着したままになってしまいがちで、臭いの原因になります。

頑固な汚れや臭いには、煮沸消毒が有効と思われるかもしれません。しかし、化繊は熱湯や高温スチームにさらすと変質を起こしてしまいます。

結果的に縮んだり、しわだらけの仕上がりになったりする可能性があるので、注意が必要です。

化繊はなぜ熱で縮むのか

耐久性の高いはずの化繊は、なぜ高温にさらすと縮んでしまったりしわになってしまうのでしょうか。それは、化繊が固体から液体、液体から気体へと温度によって変化する石油を原料としていることに関係します。

化繊は高分子構造

化繊は、ひものように柔軟に折れ曲がる鎖状の高分子で構成されています。個体から液体になる融点はおよそ200℃以上の化繊が多く、熱湯につけても液化することはありません。

しかし、化繊が軟化を始める「ガラス転移点」は70℃前後の物が多くなります。

化繊のガラス転移点以下で手入れする

化繊の温度がガラス転移点に達すると、絡み合っていた分子がほどけ始めるため、元の形を保つことが難しくなります。

熱湯や高温スチームは100℃近くになるので、高温に触れた化繊の分子の軟化はさらに進んでしまいます。

その結果、乾燥の段階で、形崩れやしわを引き起こしてしまうのです。

基本的に洗濯はクリーニングに出しているとしても、スーツのパンツの折り目が解けて着た時肘や膝の裏に座りじわなどが入った時にアイロンを掛ける際は設定温度と当て布で加減して素材への温度が70℃以下、念のために50℃以下の低温で手入れをする様にしましょう。

臭いの対処法

家庭洗濯可能なスーツであれば、洗剤で予洗をしてから、50℃程度のお湯と酸素系漂白剤で付け置きするのも効果的な方法と言われていますが、

必ず、スーツの取り扱いでは、洗濯表示を守ることが重要です。

化繊と異素材を混合した混紡品や、100%化繊との表示でも何らかの機能性が添加されている製品も多くあります。また、縫製の時に使われた接着芯や副資材に適した洗濯方法や水温の設定が洗濯表示には記載されていますので、確認してから対応しましょう。

 

クリーニング専用のスーツであれば、汗残りして臭いが残ってしまったスーツはクリーニングで洗濯してもらうしか方法が有りませんので、クリーニング店に頼みましょう。

ですが、通常のドライクリーニングでは頑固な皮脂汚れや臭い汚れを落とす事が出来ない場合があるかもしれません。

そんな時は、皮脂や臭い汚れもスッキリ落とせるウエットクリーニングが頼りになりますので。

衣類の汚れで困る事が有れば、お家の近くのウエットクリーニング取り扱い店を探してみて下さい。

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まとめ

快適性や耐久性の優れた化繊100%、化繊混の高機能系ストレッチスーツですが、

熱には弱いという事と、場合によっては臭いが残留する事があるという特徴をご理解頂けたと思います。

日頃のお手入れは洗濯表示に従って、高温を避け低温でのお手入れが大切です。

お気に入りのスーツをダメにしないためにも、素材の特徴を理解して正しく取り扱いましょう。