2022.07.08 結婚式参列衣装
フォーマルシーン、ビジネスシーン、問わず、最近スーツにベストをカッコよく合わせてスリーピーススーツの着こなしを楽しまれている人を多く見かけませんか?
そこで今回は、スーツ着用の「ここぞ!」という機会、結婚式参列のスーツスタイルがよりカッコよくなるスリーピーススーツのメリット、ベストの着こなしのポイント、ベストの種類、についてご紹介していきます。
まずは、予備知識として、ベストの歴史を紐解きましょう。
ベストとは元々、上着(ジャケット)と下着(シャツ)の間に着る中衣であり、下着であるシャツを見せない為に着る物で、正装としては、なくてはならない物でした。
また、ベストといっても袖付きの中衣で、上着のボタンを閉めず、前開けでベストを見せる着こなしが一般的でした。
その後、18世紀頃に上着(ジャケット)の袖をタイトにフィットさせる着こなしが流行し、それに伴い中衣(ベスト)の袖が無くなります。
これが現代のベストの原型になります。
やはり、正装の結婚式参列には下着であるシャツを見せない正式なスタイルで臨みたいですね。
ベスト着こなしのポイントにもなるメリットについて、ご紹介いたします。
ベスト一番の魅力は、スーツをきちんと着こなすことで生まれる視覚効果です。
着こなし全体に統一感が生まれ、体を立体的に、たくましく見せてくれます。
そして、ベストが有る事で、ジャケットの前ボタンの位置から首元までのVゾーンに奥行きができ、スーツの上品さとお洒落さを演出してくれます。
上着を脱いでシャツ1枚になると、一気に砕けた印象になってしまいますが、ベストがあることで砕け過ぎずキチンとしたワンランク上の着こなしが楽しめると同時に、季節の変わり目や室内と室外の気温の差が激しい時も、ベストがあることで、温度調整もしやすくなります。
また、無地柄のスーツのアクセントとしてオッドベストと呼ばれる、スーツ上下とセットになっていない単独のベストを使用してお洒落の幅を広げることもできます。
ベストを追加した “スリーピーススーツ” の着こなしは、体型にフィットしたサイズ感を選ぶ事と、着こなしのポイントがありますので確認しておきましょう。
スーツでは基本的な事になりますが、スリーピーススーツのベストのサイズが大きいとだらしなく見えてしまいます。意識すると良いポイントは、パンツのベルトが見えない丈が大切です。
逆に丈が長すぎると、胴が長く見え全体のシルエットが崩れてしまうので、適切なベスト丈の物を選びましょう。
次にベストの魅力である 「体を立体的に、たくましく見せる」 をより活かすには、Vゾーンの見え方がポイントになります。
体の線が細い方は、Vゾーンが浅めの襟付きのベストで胸元に立体感を作るとより良いでしょう。
逆に襟が付くことで、胸周りの立体的が強調されるので、体がふくよかな体型の方は、Vゾーンが深めの襟無しベストがお勧めです。
そして、Vゾーンの表情を左右するネクタイにボリュームを持たせる為にもベストのバストサイズをしっかりと合わせてネクタイがストンと落ちず、胸で止まるサイズ感のベストを選ぶ事をお勧めします。
ベストの着こなしで欠かせないのが、結婚式(フォーマル)シーンでのスーツスタイルです。
必ずしも“ベスト”を着ないといけない、というわけではありませんが、スーツの中にベストを着用することでよりフォーマル感が増し正式なスーツの着こなしになります。
結婚式に参列する場合は、一般的にはスーツと同じ生地のベストが良いですが、手持ちのスーツに単品のオッドベストを追加するだけでも印象が大きく変わりますので、チャレンジしてみて下さい。
一般的な組み合わせとしては、濃い色のスーツには薄い色のベストが合わせやすく、落ち着いた雰囲気や上品さがあります。逆に薄目の色のスーツには、濃い色のベストを選ぶとまとまりやすく、新郎よりも目立つことなくフォーマルな場にふさわしいスタイルを演出できます。
同じ冠婚葬祭時のフォーマルスーツでも気を付けたいのが“お葬式”です。一般的な装いはブラックスーツ(喪服)とされています。参列者は喪主や遺族より格式の高い装いをしないのがマナーです。スリーピーススーツを着るのは避けると良いでしょう。葬儀の喪主や遺族の方がいる場合は着用しても問題ないでしょう。
もう一つおさえておきたいベストのマナーが就職や転職活動の場合は、スリーピーススタイルはNGとなります。
特に面接の場では、相手に与える印象が大切です。見せる着こなしよりも見られる着こなしを意識して臨むと良いでしょう。
スーツにもシングルとダブルがあるように、ベスト(ジレ)にもシングルとダブルがあります。
また、襟が付いているデザインもあり、合わせるシャツやスーツのモデルによって着回しを変えることも出来ます。
このスタイルが最もオーソドックスなベストです。前ボタンの数は3つ~6つボタンで、現在主流の2つボタンのシングルジャケットに合わせるベストとしては、5つボタンのベストを合わせるのが一般的です。
やや深めのVゾーンとフロントのシャープなカッティングでクラシカルな雰囲気でありながら、洗練されたシンプルベストです。
フォーマルスーツのベストにはこちらが最適です。
ダブルブレスト仕様のベストは、遊び心とシックを絶妙なバランスで保っています。
ノーカラー(襟なし)のシャープなフォルムとダブルの打ち合わせが、クラシックの中にも適度なモード感を醸し出しています。日常の着こなしに新しさを表現したい人におすすめのベストです。
※「ラバルド」とは、主に襟付きのベストの総称です。
襟付きのベストは、それだけでノスタルジックな雰囲気が香ります。
古典ブリティッシュ調に着こなすのもオシャレでしょう。
襟付き×ダブルという、重厚感を感じさせる、正統クラシックスタイルです。ダブルの重厚感が大人の色気と余裕を感じさせます。
いかがでしたでしょうか?
シンプルなシングルスーツでも良いですが、ベストがあることで着こなしの幅も広がり雰囲気も華やかになります。
今回の内容をご参考に、結婚式の会場を華やかな着こなしで盛り上げて上げて下さい。