2022.06.16 ビジネススーツ ジャケット スラックス
これから迎える梅雨シーズン。
雨に濡れてしまった後のスーツのケアをご存じですか?
濡れてしまったスーツは、
生地のチジミや波打ちのシワなどといったスーツの型崩れの原因に繋がります。
今回は、スーツが雨で濡れてしまった時の正しいケアや対策をご紹介します。
はじめに、雨に濡れたスーツがどうなってしまうのか知っておきましょう。
雨に濡れてしまったスーツは一度繊維が水分を吸って膨張します。
その後、乾燥していくのですが、乾燥の早い所と遅い所の差が出てきます。
その乾燥の差によってスーツの表面に凹凸が出来、波打ってしまうパッカリングを起こってしまうのです。
一度パッカリングした生地はアイロンなどで伸ばさなければ、なかなか元に戻すのが難しい状態になってしまいます。
また、スーツの素材は多くの場合羊の毛(ウール)を使用している事が多く、雨に濡れると動物臭が発生することがありますし、濡れたまま放っておくと雑菌が繁殖し、カビが発生する原因にもなります。
ですので、スーツが濡れてしまった場合は、早めに乾燥させる事が大切です。
雨に濡れた時のスーツのお手入れ方法についてお話しましょう。
スーツが雨に濡れた際の一番のケアは、乾いたタオルで水分をはたき落とすことです。
新しいスーツの場合はウールその物が持つ油分で水滴が球状にコロコロと落ちやすいですが、
クリーニングを繰り返したスーツの場合、油分が減少している為、染み込みやすくなっていますので、より早い対応が大切です。
乾いたタオルでポンポンと吸水させる様にしましょう。
あまり強くはたくと生地を傷める事がありますので、やさしく数回に分けてはたきましょう。
また、泥跳ねによる汚れがついてしまっている場合は、上から擦ってしまうと繊維の奥まで入ってしまうので注意が必要です。
この場合は、水分のみタオルに吸収させ、乾いた状態になってからスーツブラシで汚れをかき出すように取り除くようにすると、汚れの広がるのを防げます。
水分を落したら、型崩れを防ぐ為に、厚みのあるハンガーにかけます。
この時、肩の部分にタオルを1枚はさむとスーツの内側にこもった湿気も取れますので、
タオルを挟みジャケットとパンツは、別々のハンガーに干しましょう。
この時、直射日光を避け、風通しの良い場所に干す事も大切です。
また、パンツの裾口などヒドク濡れてしまった時は、筒状に吊るして乾かすように干すと乾きが早くなります。
スーツ生地に凸凹が出てしまったら。
8割ほど乾かした状態で、スチームアイロンを生地から1cmほど浮かせてアイロンをかけます。
肘や膝の裏など湿気で深いシワが入っていれば、当て布をしてアイロンで伸ばしてから、完全に乾燥させましょう。少し湿気が有る方が早くシワがとれますので8割ほど乾燥したタイミングがポイントです。
ここまでケアをしっかりしておくと、次に着る時に気持ちよくスーツを着る事が出来ます。
最近では、機能性に優れた“撥水加工” を施したスーツ生地もありますが、天然素材なら強撚糸を使用したフレスコ素材や山羊の毛(モヘア)混の生地も湿気の多い季節には向いていますので、
おすすめです。
また、明るく薄い色は雨跡が残りますので、明るいグレーなどは避けるようにしましょう。
雨が降る予報が出ている時は、なるべくネイビーやダークグレーなどダークトーンのスーツを選ぶのがオススメです。
梅雨の季節など、雨の日は憂鬱になる日も多いかと思いますが、きちんと雨の日の対策とケアを行い、気持ちよく過ごしましょう!