2015.08.23
皆さん、こんにちは。
STAFF 延岡です。
お盆明けより、ぐずついた天気が続いていましたが、
昨日、今日と岡山では非常にすがすがしい天気でまだまだ夏を感じさせてくれます。
さて、そんな中、お店の定休日に当店STAFF山内さんと若手2人で
名古屋に機織り工場の視察に行ってきました。
今回の工場視察は、昔ながらの低速織機と最先端の高速織機の違いを体験し、
STAFFの接客スキルの向上を目的に行ってました。
皆さんが普段何気なく着ているスーツの生地は、いったいどうやって織られているのでしょうか?
まずは、日本では数少ない高性能な低速織機を扱う「葛利毛織」の工場から!
生地を織っていく上では、横糸に比べ縦糸の方が手作業の工程が多く手間がかかる様。
写真は、織る生地によって決められた本数の糸を手作業で、1つ1つ枠に通しまとめていく
行程作業の様子を現場の職人さんに実演して頂いたものです。
1つでも枠を飛ばしたり、糸の本数が多いと生地に薄い部分が出来たり、糸玉になり商品
として売り物にならないそうです。
山内さんも職人さんの技術を見逃さない様、真剣です!!
この工程では、縦糸に合わせて横糸をシャットルを飛ばすことで紡いでいくところ。
ちなみにシャットルとは、下の写真のようなものです。
今の最先端設備の機織り工場では、使用されていない骨董品です。
ただ、シャットルは上の写真の様に中に横糸を入れて飛ばすので、なくなると糸の交換が必要です。
最先端の織機では、シャットルを使用せずに機器の先端に巻きつけて作業する為、交換が必要なく作業時間が
大幅に短縮されるのです。
この工程では、織りあがった生地の最終確認を行います。
スポットを後ろからあてることで、生地の毛玉や織キズなどをチェックします。
同じような低速織機(ションヘル)を扱う機屋さんは、全国に何件かはあるそうですが、
複雑な柄が織れる横糸出し機を持っているの日本全国で「葛利毛織」の工場だけだそうです!!
「葛利毛織」では、昔ながらの低速織機(ションヘル)を使用することで、今の最先端機織り機では実現できない
ふっくらとした柔らかい風合いの生地が織りあがります。
ただ、シャットルの交換作業など最先端織機に比べ、作業工程には手間がかかる為、
約4日間で1反の生地を織る形になっています。
工場視察2件目は、日本最先端機織り設備を持つ「株式会社ソトー」。
超大型の縦糸巻きの機器。
シャットルを使用せず、横糸を中間で受け渡しをする「レピア織機」をはじめ、空気の力で横糸を飛ばす「エアー織機」
と織機の種類も充実。
「レピア織機」は「ションヘル」の約2倍、「エアー織機」は「レピア織機」の約2倍とスピードで生地を織る為、
なんと1日で6反も織れるそうです。
ションヘルに対して、エアー織機はかなり量産向けの織機のため、
現在様々な種類の生地を世間に数多く流出するにはうってつけの織機の様です。
さて、どうだったでしょうか?
皆さんが普段着ているスーツの生地がどのようにして作られているのか、少し分かって頂けましたか?
私も全てを理解しているわけではありませんが、今回の工場視察で洋服づくりの面白さと大変さを
改めて実感することが出来ました。
織機についてまだまだ詳しく知りたい方は、店頭にてお尋ねいただければ幸いです。