2021.02.19 ビジネススーツ
こんにちは、ロードハウス赤尾です。
よくお聞きする話で、
「既製品だとサイズが合わないので、オーダーしに来ました。」
というお客様がいらっしゃいます。
そもそも、そこがオーダーであるメリットの一番の理由ですので、ここは対応できて
当然のことになります。最低限のスタートラインと思って頂いていいかなと思います。
そもそも、全く同じ体型の方はいませんし、体のバランスやクセに至っては、
本当に千差万別になります。
標準的な体型(そもそも基準がわかりにくいのですが)の方でも80%以上の満足のいくスーツやパンツに出会ったことはほぼないんじゃないでしょうか?
そういった意味では、全ての方がイレギュラーサイズなのです。
オーダーの基本は、サイズをバッチリとご本人様のサイズに仕上げることが、大前提になります。
その延長線上には、イレギュラーサイズの対応が当然あります。
私達の対応はそこを前提とした上で、個人の体型補正や、バランスを見て行き、形を整えて
見え方、着心地、をオーダーとして、出来る限り反映させるのが仕事です。
一般的にイレギュラーサイズというと、体の小さい方や大きな方を思われることと思います。
確かにご自身でも既製品は、基本的な肩のサイズやバストのサイズ,
パンツだとウェストやヒップサイズの基本的な箇所でも合わない方がいらっしゃいます。
ただ、もっと困ってらっしゃる方もいらっしゃいます。
上下でサイズが異なってくる方、や背が高いけど細身の方なども含めて
イレギュラーサイズで一番バランスが取りにくいのは、実際は
アスリート体型の方なのです。
アスリート体型の方は、筋肉のついている箇所によって、(やっている競技によって、)
体型が全く変わってきます。
現役の選手でなくても、若い時に運動部に入っていた方は多いと思います。
若い時に作られた基本の体型は大きくは変化しません。
例えば、野球ですが、
上半身全体、特に胸まわりや腕などが発達されています。下半身は、お尻が大きく、
どっしりとした方が多いです。
と、ここまでのサイズを合わせるのは当然です。そこにプラスして、動きやすく、
着こなしている感を出して頂く為に、体型補正も重要です。
皆様は、アスリートの方で上半身がガッチリとした人がスーツを着ているのを見たときに、背中の上の部分、後ろ側の衿の下に大きく波を打っているシワを見かけることがあると思います。
これは、突(つき)と言われるシワで、特に筋肉が発達した人は完全に取ることは難しいのですが、軽減ができます。
その他、反身(はんしん)少し上半身が反っている姿勢 や 反対の屈身(くっしん)、
肩から腕がやや前に出ている、前肩など、様々なクセが、特にアスリートの方は大きく出てきます。
サッカー選手だと、下半身の特に、太ももとふくらはぎが大きく発達していますし、
ラグビー選手であれば、ポジションによって、体型が大きく変わります。
その他では、バスケットボールやバレーボールのような、体脂肪が低く、長身の方になってくると、単に丈を調節するだけでは、ウエストや袖、パンツのラインなどが、とても不恰好になります。
体型に合わせて、ウエスト(ジャケット、パンツどちらも)を絞ることは当然ですが、
問題は絞りやラインを整える位置です。ジャケットであれば、丈とボタンを掛ける絞り位置と絞り具合のバランス。
パンツであれば、ヒップに合わせたサイズ感から太もものバランスとヒザ位置を取ってからのライン補正。
このようなポイントが重要になります。
この一つ一つのポイントを丁寧に整えていくことで、
既製品とオーダーの違いはハッキリとでてきます。
アスリートの方は不便な思いをされている方も多いかと思います。
オーダーであれば、できるだけ解消できるように手伝わせていただきます。