2020.10.30 ビジネススーツ
こんにちは、ロードハウス 赤尾です。
サステナビリティ(持続可能性)の言葉を頻繁に聞くようになってから、2年くらいたちますでしょうか。
皆様は、日本の衣料品が、どれだけの数量作られ、そして廃棄されているかご存知でしょうか?
ここ近年は、年間30億着の衣料品が処分されています。人口から換算すると、1人あたり25着の衣料品が
廃棄されています。
人によっては、おかしいな? そんなに年間廃棄しているかな? と疑問に思う方も
いらっしゃるのではないでしょうか? そんな方の考え方は、正解です。
そうなのです、実際に着用された服、そのものの廃棄は、年間15億着~20億着の間なのです。
ということは? そうです残りの10億~15億着は、 新品が廃棄されている計算になります。
日本の市場向けに生産されている商品は、年間30億着くらいです。 ですから、50%近い商品が
売れずに残り、何年か値段を下げるなどして、販売しようとしますが、
それでもそれだけ残り、破棄されているのが事実なのです。
これは、サスティナビリティのテーマから考えると衣料品業界の負の部分と言わざるをえません。
もちろん、制作サイドは、売れないと思って作っている商品はないですし、前年のデータや、トレンド、季節の想定などを考え、お客様の動向により順調に商品が売れた状態を想定して作っています。
アパレル業界全体も、生地生産や染色・加工などによる環境汚染をなくす取り組みやペットボトルから生地を作成するなど、取り組みは進んでいますが、
ただ、現状構造的な改善はできていないのも事実です。そして、この新品での破棄は、全て既製服だと言えます。
食品に例えると、お弁当など調理してしまったものは、賞味期限が発生し、この期限を超えれば破棄しなければなりません。
ただ、レストランでは、注文が入ってから調理するので、調理されたものが、手を付けられずに破棄されることは原則ありません。
これと同じように、当然の話ですが、オーダースーツは、オーダーが入ってから、仕立てますので原則、着用されないことはありません。
そして、持続可能型の社会を築こうとしている今、改めて見直されています。
だからこそのオーダーでもあるのです。
この話には、続きがあります。ここには、私の想いや願いも入っていますが、
オーダースーツは、愛着や着用期間の長さが違います。
まず、サイズに関して、体にフィットした仕立てを行います。
身体になじむスーツになることに、自信があります。
ということは、長く愛着を持っ着て頂けるということです。
そして、そういったスーツは、少しのキズや汚れやサイズ調整であれば、リペアして着て頂けるということです。
ポケットが破れた、ウエストがきつくなった、股が裂けた、など、出来る限りリペアしましょう。
この1年、私どもでも、サイズ直しなどのリペアを持ち込まれる方が増えてきています。
顧客様にも、この思いが伝わってきているのでしょうか。
スーツを作る場合の半分くらいのリペア料がかかる場合もありますが、
それでも、想い入れの事。サステナビリティの事。環境の事を思って、直される方もいらっしゃいます。
少しずつでも、オーダースーツの良さを知っていただきたいと思って書きました。