2020.10.15 ビジネススーツ
こんにちわ、「 服を福につなげる仕立て屋 」
ロードハウス ストアマネージャーの河内(カワチ)です。
今回は、「 スーツ選びのポイント ~生地の見極め~ 」です。
スーツを買うときに、色柄やシルエットは気にする方が多いと思います。
忘れがちではありますが、生地のクオリティも大事です。
シルエットを維持する力だったり、着やすさの部分は
生地の影響が大きいからです。
わかりにくい部分なので、少しマニアックな内容になりますが
一度覚えておくと、シャツやネクタイにも応用できるので
最後まで、読んでみてくださいね。
既製品もオーダー製品も、生地の製品タグに、「 SUPER 120’S 」
のような、数字が書かれているのを見た事がある方も多いと思います。
簡単に説明しますと、ウールの糸のなかの1本1本の繊維の平均太さの
表示の事です。その為、数字が大きくなると、手触りがよくなり金額も上がります。
ここまでは、国際基準なので安心です。
問題は、その繊維を糸にして、どれだけの量を使って生地を織り上げているかです。
糸密度の事を業界では、「 打ち込み 」というのですが
例外もありますが、糸の本数が多いほど、優秀な生地になります。
これは、生地を握ってみて、ハリコシを感じる事が出来れば
まずは、合格です。ハリコシにもレベルがありますが
生地がしっかりと押し返してくるレベルは、パンツのラインも
綺麗に出るので、ガッチリ体型の方に特にオススメです。
買おうと思う生地を、すべて握ってみて判断すると
比較しやすいです。その際は、店員さんに素直に
「 生地のハリコシ確認してみていいか 」
お願いしてみてください。
一目おかれますし、店員さんの知識のレベルも
確認できますので、勇気を出して試してみてください。
主に日本輸出用にわざわざコストをかけて付けているので
世界的な流通量で考えると、付いている方が少ないようです。
結論、なくても品質に問題ありません。
余談ですが私が、イタリア・イギリスに買付に行って思う事は
ブランドネームの先入観をすてる必要性がある事です。
現地では有名でも、日本への輸出が少ない場合も多いので
ブランドイメージの先入観を捨て、目利きで買い付けをするようにしています。
ブランドのミミがなくても、生地を触って良し悪しがわかるようになると
現地にしかない良質な生地や、ブランド名が先行している生地などが
わかるようになります。
仕立ての見極めは難しいですが、生地は少しの知識でわかるようになります。
今はほとんどの事が、個人で調べる事ができる時代です。
スーツは、既製品とオーダー製品がありますが基本の考え方は同じです。
スーツを着る機会が少なくなってきている時代だからこそ
スーツにも意味をもたせる事が大事なのではないでしょうか!