2019.08.03
こんにちは、ロードハウス 赤尾です。
私の世代は、社会に出る前に「80年代後半のバブル」といったものは、終了してました。当時高校生であった私たちは、周りの大人たちが、シルエットの緩い当時大流行した「アルマーニ」に代表される、ダブルブレスト(ダブルブレステッド)のスーツを着て、バブルを謳歌しているのを見てきました。いわゆる印象に残っているダブルのスーツです。
当時は、それが「かっこいい」という思いがあり、かくいう私も、社会人になったら、ダブルのスーツを着て、仕事に遊びに、忙しいライフスタイルを過ごしたいと思っておりました。そのようなバブル期も、大学に入ってしばらくした頃には終焉を迎え、いつしか市場から、若い人が着るダブルブレストがなくなってしまいました。そして、ダブルブレステッドは、年配の人が特に結婚式などの参列で着るジャケット(スーツ)といったイメージが根付いてしまいました。
私が就職したころも、少しまだ名残があり、就職したり、結婚したら、ダブルの礼服が必要になると親に言われたりしていました。実際は、シングルでよかったんですが・・・
四半世紀続いたそのダブル縮小の傾向もここ4~5年で変化してきています。最近は、シルエットも今の両極のシルエットで、(タイトでスタイリッシュなデザイン と 緩めのバブル期のようなデザイン)テレビ等のメディアでも若い芸能人が着ているのも目にするようになってきたのではないでしょうか?
ダブルブレステッドの歴史をたどると、コート類の歴史と同じように、イングランドの海軍にあると言われています。(他にも説があります)一つ正確なのは、ピーコートが同じ仕様になっているように、右前でも左前でも合わせれるように、冷たい風が入らないように工夫したのが始まりということです。つまり、機能面を考えて誕生したフロントの仕様なのです。この誕生は、17世紀~18世紀と言われていて、実際に一般的にスーツとして広まったのは20世紀に入ってからの西ヨーロッパからです。
このダブルスーツは、一般的にその雰囲気から、襟はピークドラペルが多く、フロントカットは、スクエア、ベントもサイドベンツが多く、相性もよいです。これらの仕様の印象も貫禄があることから、年配の人が着るスーツといった印象が強まってしまったのかもしれません。
ただ、改めて見ると、このディティールですが、「かっこよくありませんか?」
ピークドラペル
フロントスクエアカット
サイドベンツ
このように、今まで考えていた以上に新鮮に見えてきませんか?ダブルブレステッドは、クラシックなブリティッシュだと、サイドベンツが多くなります。また、イタリアでも、ダブルはまた新鮮に見直されています。
今までは、昔のイメージが強すぎて、敬遠されがちであったダブルブレステッドも、改めて見ていくと、バリエーションや着こなしの一つとして、よく見えると思います。
これから、本格的な2019~2020年度の秋冬スーツシーズンが到来します。20代~60代70代の方まで。改めて、ダブルの魅力を感じて下さい。
シングルには、シングルの良さが、ダブルには、ダブルの良さがあります。
まだまだ、世に中の主流は、シングルだから、いきなりダブルスーツは、抵抗があると思われる方も多いかと思います。そんな方は、まず初めに、ダブルのジャケットを試してみてはどうでしょうか?
ダブルそのものは、本来、シングルよりもカジュアル要素が高いジャケットです。
これから成人式を迎える方は、ダブルブレストのスーツなんかも候補にして欲しいです。
年配のイメージが無くなった今、ダブルブレストは、定番の一つとしてフォーマルだけではなく、日常からビジネスにまで、ネクストマストアイテムにまで進んでいます。昔思っていた、「あこがれていた」状況にまた、近づいてきている気がします。
成人式では、新しさ・個性をアピール。ビジネスの場では、新鮮さや成長をアピールでき、日常では、ファッションを楽しむことのバリエーションがでてきます。一考あれ。