スーツをめぐるイタリアの旅。(海外出張レポート)
今回、 スーツ仕立ての本場ナポリへ、
仕立て先の新規開拓と仕立ての勉強を中心にスーツ生地の買付、
それと紳士服の祭典「Pitti Uomo 96」に合わせる形で店長河内と私山内がライター兼カメラマンとしてイタリア出張をしてきました。
このページではスーツの本場イタリアの雰囲気とナポリ仕立ての面白さお伝え出来ればと思います。
私たちの出張の足取りと美しい景色と共にイタリアのスーツをめぐる旅にご参加下さい。
わたし達は、仕立ての本場ナポリから入ります。 関西国際空港から一度パリでトランジットしてナポリ入りの約15時間の飛行機の旅です。 ナポリ行の飛行機には陽気のナポリの人々と乗り込み、飛行機の中はとても賑やかで飛行機がナポリの空港へ着陸するだけでサッカーのゴールが決まったかのような盛り上がりの中、ナポリに入る事ができます。
町の所々に銅像や彫刻があり歴史を感じる事が出来ます。
ナポリ駅の東側は比較的ビルが建ち並び近代的な雰囲気ですが、西側は、古い町と遺跡の残る下町的な雰囲気です。 わたし達は古い町と文化の残る西側を中心に歩きまわります。 夜は治安がとても悪いので明るい日中に外歩きをする事をおすすめします。 日中は観光客も多くスリや置き引きなどに注意すれば大丈夫みたいです。
まずは、スーツ生地から。 スーツ生地の買い付け方も色々と有るのですが、今回はナポリの老舗カチョッポリで生地の買い付けです。 CACCIOPPOLIは1920年、Vincenzo Caccioppoliの2人の息子とともにイタリア・ナポリで生地販売を始めた伝統のあるマーチャント(卸商社)で、創業から100年近く経過した現在もナポリに店を構え今では4世代目です。 Casimo Caccioppoliさんが今回、店内と商品案内してくれました。
卵城(カステロ・デル・オーボ)
Caccioppoli (カチョッポリ)で生地を仕入れたらお店を後に、町並みを見ながら西に向かって歩きましょう。
西に進むと、海の香りが。 そして、11世紀にノルマン人が築いた卵城が見えてきます。 名前の由来は,魔術師が基礎の中に卵を埋め込み、「卵が割れるとき、城はおろか、ナポリにまで危機が迫るだろう」と呪文をかけたことが城の名前の由来と言われているそうです。 By Wikipedia
海岸でゆっくりしたい所ですが、軽く食事を済ませたら仕事モードに戻りましょう。
とか言いつつナポリの海の幸料理は日本人の口に合います。
もし観光なら、ゆっくり海を眺めながら食事を楽しみましょう。
Sartoria Cuomo (サルトリア・クオモ)さんでサルトのシルエットの作り方と手仕事を勉強させてもらいます。 Cuomoさんは一人で採寸、裁断、縫製を熟す正真正銘のサルトリアです。 若い感性で仕立てるジャケットは美しく、その手仕事の素晴らしさとスーツのラインの生み出し方は芸術品です。
Sartoria Cuomo (サルトリア・クオモ)のほど近くのスペイン地区、スカッパナポリ周辺は治安が悪く1人歩きは危険なエリアです。
楽しい旅も安全第一ですので、無理せず避ける事も大切です。
私の感覚では、異臭がする所は危険です。 ちなみにナポリ駅前もすごい異臭がします。
気を付けて観光しましょう。
日が暮れる前にホテルの近くまで戻って、もう一つのサルトさんへお邪魔させて頂きましょう。
こちらのサルトリアはCaccioppoli (カチョッポリ)さんの向かいのビルに御座います。 Gianni Volpeさんのお弟子さんの職人の方がこの日は5名居られ、老舗のサルトリアさんです。
2日目の明日は、「世界で最も美しい服」を掲げるブランド、Kiton(キートン)の縫製の勉強しに行きす。 その為に今晩は、食事を済ませたらホテルでゆっくり休んで時差ボケを直しておきましょう。
ナポリ2日目。
おはようございます。 時差ボケ直りましたか?? 今日は「世界で最も美しい服」を掲げるブランド、Kitonの縫製を勉強しに行きましょう。
ナポリのKiton本社へはナポリ駅から北にあるCaserta (カゼルタ)という町とのほぼ中間より少し手前あたりで、約30分ほどの自動車での移動になります。 ナポリの人の運転は日本人の感覚ではどう考えても理解できない激しい運転ですので、レンタカーは絶対に借りてはいけません。 現地のプロのナポリドライバーに任せましょう。
場内はこちらの素敵なシニョーラが案内してくれます。
カゼルタ宮殿
Kitonを後にした私達は40分ほど列車で移動してCaserta (カゼルタ)の町へ、縫製ブランドJovanny Capri さんと打ち合わせです。 ナポリの街中と違って静かでとてものどかな所です。 次のアポイントまで時間が有ったのでカゼルタの町を散策しましょう。
18世紀にナポリ王カルロ7世の命令により建てられたそうで、庭園もキレイに手入れされておりシンメトリーな美しい造りでした。 イタリアの人の感性はこういった場所で育まれて行くんですね。
Jovanny Capri さんは個性的でイタリアのハンドワークを多用した製品を取り扱われるブランドさんで、洋服だけではなくその他にもオリジナルのシューズや装飾小物を作られています。 多様なイタリアファッション文化らしく洋服だけに留まらずトータルにファッションの楽しみ方を提案されています。
この日はJovanny さんの仕上げたスーツや小物を見せてもらったり、日本との物流方法、独自の発注方法などのお話を聞かせて頂きました。 オリジナルのプリントの表地や裏地なども楽しい商品ラインナップです。
洋服の未知なる世界を見せてもらい、いい勉強になりました。 Jovanny さんありがとうございました。 そしてナポリに戻り、もう一泊です。 明日は、FrecciaRossa(フレッチェロッサ)新幹線みたいな列車で2時間ほど揺られてフィレンツェまで移動です。
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂
イタリア3日目はフィレンツェ入りです。 紳士服の祭典「Pitti Uomo 96」は明日ですのでこの日はフィレンツェの街を散策しましょう。
足元にはご注意下さいね。
フィレンツェは完全に観光地ですので、安心して歩く事ができそうですが、街角のいたる所で地面に絵を広げて販売している人がいます。 商品の絵を踏むとゲームオーバーで買い取りになりますので、足元は良く見て歩きましょう。
お店のディスプレーも素敵ですね、オシャレなお店がたくさんあります。 感性の勉強をさせて頂きましょう。
Ponte Vecchioヴェッキオ橋ヴェッキオ橋の上から眺める景色も絵になります。 ヴェッキオ橋の上はには素敵なジュエリーショップが並んでいて旅の思い出に一つなど。。。 0€の数が多くて眺めるので精一杯。 余裕がありましたら、いい思い出の品になると思います。
本日はここまで。 食べて飲んで、しっかり休んで明日の「Pitti Uomo 96」に備えましょう。
ミラノのドゥオーモ今日は、最終日ミラノです。 短い時間ですが、ミラノの市場調査しましょう。 ミラノのドゥオーモはさすがに美しい。 5世紀もの歳月をかけて多くの芸術家によって完成されたそうです。 壮麗です。
ウインドショッピングはミラノ。ハイブランドショップも多いのでショッピングするならミラノが良いと思います。 ボディーのコーディネートなどもイタリアの中でもアーバンな着こなしですので見ていて新鮮です。
かなりの長旅(長文)ご覧頂き、ありがとうございます。 ナポリからミラノまでのイタリア南北に渡って見てきたイタリアのスーツをめぐる旅いかがだったでしょうか? 話の中心はナポリになってしまいましたが。 暑い季節という事もあったので町を歩く人はほとんどTシャツ姿で、ジャケットを着ている人はごく一部で少し残念でした。 ですが、その中でも仕立ての町ナポリでは暑くてもシャツやジャケットを着ている人が多かったように思います。 しかもよく似合う。着馴れてるからでしょうね。 そう言った点ではカメラを振りまして旅をした私としては、人が移りこんでも絵になる町でした。 洋服の楽しみ方が少しでも広がっていれば幸いです。 最後まで旅にお付き合い頂き、ありがとうございました。